春と秋のお彼岸。おはぎやぼた餅をお供えしますが…
子供でも分かるように、その理由や由来。おはぎとぼたもちの違い。お彼岸期間にいつおはぎを食べるのか?彼岸入りや彼岸明けの事。エリアで違うお供え物の事など色々まとめました。
簡単に、お彼岸の謎を。
このような内容は、実際に調べてみると分かりづらかったりしますよね。
言葉が難しかったり…
今回は、小学生でもわかるようにお彼岸の事をまとめてみました。私の今までの経験だけではなく、色々と調べた内容になりますよ。
おはぎはいつ食べるのか
画像引用元 http://goo.gl/75oT0h
お彼岸の期間は、春分の日・秋分の日を中日とし前後3日の、合計7日間。そうなると、『おはぎはいつ食べるの?』『もしかして、7日間毎日食べるの?』なんて方もいるかもしれません。
正確には、お彼岸の中日に食べる物だそうです。春分の日・秋分の日ですね。
お墓や仏壇にお供えしてご先祖様へおはぎをあげ、ゆっくり食べて頂いた後に下げて召し上がり下さいね。そして、お彼岸期間に一度のおはぎですよ。毎日おはぎは必要ありません。
いつ食べるのを気にする事も重要ですが、気持ちを優先しても良いのではないでしょうか。秋分の日の前日にお供えし、中日の秋分の日当日にはおはぎが傷んでしまうなら、前日に下げて召し上がって大丈夫ですよ。
一番大事なのは、気持ちです。
ですので、あなたの自宅に仏壇がなく、実家に帰ることやお墓参りにも行けないのであれば、こんなおはぎの食べ方はどうでしょう。
手元におはぎを用意し、実家へ電話をして仏壇にあなたの線香をたててもらう。そして、ご先祖様の事を思い出したり、周りの人に話して供養をし、おはぎを食べる。
気持ちですね。
エリアや仏教でも宗派によっては、おはぎ以外にもお供えします。
7日間あるお彼岸の初日を彼岸入りと言い、お彼岸最後の日が彼岸明けになるのですが、お彼岸入りの『入り団子』お彼岸明けの『明け団子』があります。共に『お彼岸団子』と言い、お団子をおはぎとは別にお供えするエリアもあるんですね。
入り団子を『お迎え団子』と言う方もいます。
ご先祖様をお迎えするのにお団子をお供えし、お彼岸の最後の日にはお土産のお団子をお供えする。そして、中日にはおはぎをお供えします。
オモテナシですね。
画像引用元 http://goo.gl/B4wKFf
オモテナシは、結構エリアで違いがあるんです。
入り団子の形が上の画像とは違い、平たいお団子もあれば、中日に食べるのはおはぎではなく、お赤飯だったりします。おはぎも、きなこをつけたりと。
あなたのエリアは、どうですか?
お彼岸のおはぎの理由・由来
では、本題に入っていきましょう。
最近では、春のお彼岸も秋のお彼岸も「おはぎ」と言い、お供えしたり食べたりしますが正確には違います。
- 春のお彼岸→ ぼたもち
- 秋のお彼岸→ おはぎ
これが正しいお供え物です。ほとんど同じ食べ物なのですが何が違うかと言いますと、おはぎのあんこの違いです。こしあんか粒あんか。
江戸時代の事。
おはぎのあんこの材料の小豆ですが、元は漢方薬として中国で使われていて日本に入ってきました。日本人はこの小豆を健康食材として色々な食べ方で食べていたそうです。
その小豆ですが、種蒔き時期が春の4~6月になり収穫が9~11月。
秋のお彼岸は9月ですよね。収穫したての小豆を使いおはぎを作ります。
ピチピチ新鮮の小豆ですから、皮も柔らかいので粒あんとして食べ、春のお彼岸まで保存していた小豆は皮も固くなるので皮を取り、こしあんとしていました。
画像引用元 http://goo.gl/leunU1
おはぎやぼた餅が、なぜお彼岸で食べるようになったのか…。甘党でスイーツ好きな、あなたと同じで食べたかったから。ではありません(笑)
江戸時代の初期は特にですが、砂糖は超超超~高級品。
そのうち九州や四国などで黒糖や和三盆の生産も多くなり、江戸時代後期には普段から食べられるようになりますが、お彼岸のお供えでおはぎを使った当初は、普段から口に出来ない贅沢スイーツでした。
普段、口にできる甘い物は「木の実」「干し柿」「さつまいも」「はちみつ」「水飴」が良い所。奮発してさつまいもです。
そんな贅沢スイーツのおはぎ様は、大事な日や大きな節目や大切な人へ振る舞う時の食べ物。
小豆の赤い色には魔除けの効果があると信じられていて、邪気を払う食べ物として先祖様への供養に使われていたと言われます。大切なお彼岸に、魔除け効果のある小豆に高級な砂糖を使いあんこにしてお餅につけ、ご先祖様にお供えして邪気払いや願いを祈っていました。
「家族みんな無事に生活できますように」とね。
大切なお彼岸に、小豆の言い伝えと高価な砂糖を使ったおはぎでお供えするのが、お彼岸のおはぎの理由になります。
おはぎとぼた餅。呼び名が違う理由
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春のお彼岸は、ぼた餅。
秋のお彼岸は、おはぎ。
上でご説明したように、こしあんと粒あんの違いですが呼び方が違います。
今では、春でも秋でもおはぎとして売られていたりしますが、本当は呼び名も違いますし形も違うんですよ。共に共通するのは、季節の花。
ぼた餅
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春分の日のぼた餅は、春の花『牡丹(ぼたん)』から。
ぼた餅のあんこを、3月のお彼岸時期に咲く牡丹に見立てた事からと言われています。ぼた餅を漢字にすると分かりやすいです。牡丹餅。
そして、形も牡丹に似せて丸々した大きな形なんですね。
おはぎ
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秋分の日のおはぎは、秋の花『萩(はぎ)』から。
おはぎのあんこを、9月のお彼岸時期に咲く萩の花に見立てたことからと言われています。こちらも漢字にすると分かりやすいですね。御萩。
おはぎの形は、萩の花に似せて細長く小ぶりの俵形です。
江戸時代に約30年かけて、大阪の医師が日本で初めて出版した、今で言う百科事典の『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』の中にはこのように記述されているそうです。
『牡丹餅および萩の花は形、色をもってこれを名づく』
小豆の色の赤色と、春の花の牡丹と秋の花の萩が同じ色。牡丹は丸くて大きな花なので、ぼた餅も大きく丸い形。萩の花は細くて小さな花なので、おはぎも小さく細長い形。
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ご存知でした?
和菓子屋さんでおはぎを買う方もいますが、スーパーなどで買われる方も多いと思います。今では、呼び名も『おはぎ』で販売される事が多く、形や大きさに関しても、由来を意識している事も少ないですよね。
俵形が多い気がしますし、大きさも大小あるイメージはありません。
今は昔と形や大きさが違いますが、おはぎを食べるときに思い出して頂けると嬉しいです。
お彼岸をわかりやすく
お彼岸にはお墓参りをしたりしますが、中には「大好きなおはぎの日だ。」なんて方もいるでしょう。おはぎを食べて供養する日なのは確かなので、間違ってはいません。
まずは、簡単にお彼岸の事を。
ご存知だと思いますが、お彼岸は毎年2回あります。
春のお彼岸→
春分の日(3/20~3/21頃)の祝日を中心の日とし、前後3日の計7日間。
秋のお彼岸→
秋分の日(9/22~9/24頃)の祝日を中心の日とし、前後3日の計7日間。
秋のお彼岸でご説明すると、その年の秋分の日が9/23であれば、9/20~9/26がお彼岸になります。お彼岸は秋分の日だけではなく、7日間もあるんですよね。そして、祝日である春分の日も秋分の日も固定日ではないんです。
この2つの祝日は、昼と夜との時間が同じになる日なのですが(正確にはほぼで、昼のほうが少し長い)地球が太陽をまわると少しのズレがあり、昼夜の時間が同じになる日にもズレが出るので固定されていません。
正確には、秋なら地球が秋分点を通る日が秋分の日。
春分の日も秋分の日も、太陽が真東から登り真西へ沈む日になります。
仏教では、太陽が登る東を私たちがいる世界と考え、太陽が沈む西を亡くなった故人の世界と考えています。分かりやすく言うとですが。故人の人への想いが一番通じやすくなると考えられている日が、太陽が真東から登り真西へ沈み、昼と夜が同じ12時間の日。
お墓参りをしたり仏壇へお供え物をする春分の日や秋分の日は、このような理由からになるんですね。
亡くなった方へ「元気にしてる?」「いつもありがとう」「見守っててね」などの気持ちが、一番届く日なんですよ。
そして、お彼岸と言うと『彼岸花(ひがんばな)』を思い出す方も多いと思います。
秋のお彼岸時期に咲く花で、花が咲いている期間もお彼岸の7日間と似ている事から名付けられたと言われています。開花期間は約7-10日間。
根っこを中心に毒があるのをご存知でしょうか?そして、彼岸花が咲く場所は田んぼのあぜ道や墓地の周りに多い理由をご存知でしょうか?
田んぼのあぜ道にあるのは、ネズミやモグラなどの動物が田んぼを荒らすのを、毒がある彼岸花を植えて避けるようにするため。
墓地の周りにあるのは、昔は今と違い亡くなった方を土葬していたのですが、動物に掘り起こされないようにや虫除けの為に彼岸花が植えられました。
彼岸花は見る人によって「きれいな花だ」と言う人もいれば「不気味な花だ」と言う人もいます。
彼岸花のアダ名と言いますか異名もたくさんあり、「地獄花」や「幽霊花」などと不気味な呼び名が多いんですね。それと反対に、赤い色加減や短い開花などから「神秘的」と言う方もいます。
あなたも今度見かけたら、どのように見えるか考えてみてね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
おはぎ以外にも、お彼岸の事を色々ご説明させてもらいました。
お彼岸は、故人と通じることが出来る素敵な日です。お供えはぼたん餅の春と、おはぎの秋で問題無いですが、故人が好きだった物をお供えしても良いんですよ。
そして、仏教の教えですが誰でも行える行事ですからね。
あなたも、会いたい人はいませんか?
ありがとう。aki