包丁の研ぎ方が簡単にわかるように、動画を使いご説明します。
ご家庭にある万能包丁と呼ばれる三徳包丁や牛刀の両刃。刺身包丁や出刃包丁の片刃など、コツやポイントが分かれば簡単に砥石で研げますよ。
トマトや紙がスパッと切れるように、是非見て下さいね。
わたしの包丁研ぎの経験だけでは無く、この記事を書くのにかなり調べました。
今回は、包丁屋の包丁の研ぎ方でご説明します。料理人の包丁の研ぎ方は人によってかなり違いがありますのでね。
研ぎ石を使った包丁の研ぎ方になります。
片刃と両刃の研ぎ方で分かりやすい動画を探したので見て下さい。そして、初心者や女性でも出来るように、色々とポイントなどもご説明していますよ。
包丁の研ぎ方
包丁の種類と刃の形
上の画像を見て下さい。
包丁には色々な種類があり用途によって使い分けをしている方も多いと思いますが、一般家庭でよく使われる包丁は『万能包丁』『文化包丁』『牛刀包丁』『出刃包丁』などが多いのかな。
包丁の研ぎ方で種類より大事なのが、包丁の刃の形です。牛刀の研ぎ方や万能包丁の研ぎ方と言うより、刃の形にあった研ぎ方をすれば良いだけですよね。
下の画像を見て下さい。
まず、包丁の刃を下にして自分に向けて下さい。上から刃の先端を見ると分かりやすいと思います。そして刃先を自分の顔に向けて下さい。それで分かると思います。
それでも分かりずらいようでしたら、包丁を横にして表と裏の刃を見て下さい。両刃であれば、表も裏にも削られた箇所がありますよね。片刃であれば片方のみ。
包丁を研ぐ前に、刃の形を確認して下さいね。
包丁の研ぎ方
砥石を使った包丁研ぎの注意点
包丁の刃が余計にボロボロにならないようにと切れる包丁にするために、注意点を確認して下さいね。
砥石の表面を平らにする
新しい砥石であれば問題無いですが、何度か使っている砥石になると砥石の中央が凹んでいるはずです。そのままの状態で包丁を研ぐと、削られた刃の角度が一定に保たれないのでキレイに研げません。
そんな時は、平なブロック塀などに砥石を上から押し付けて、何度も砥石をこすると平らになります。
砥石を水にしっかり浸ける
お手元の砥石は恐らく人工砥石になると思います。そして、一般家庭で利用している砥石は中砥石が多いですよね。
砥石に水を浸けるのは、包丁の滑りを良くして摩擦熱を取る役割などもあります。砥石は少しの水を吸収してもスグ乾いてしまうので、水に浸ける時間が短いと包丁を傷めてしまうんです。
10分から30分程度の時間、水の中に沈めて水泡のアブクが出てこなくなるまで水分を含ませて下さいね。
ですが、セラミック砥石などは浸けなくても大丈夫ですね。
あなたの砥石が何の砥石だか分からないのであれば、一度水に浸けてみて下さい。水泡が沢山出る砥石は浸ける。出ない砥石は濡らすだけで大丈夫だと思いますよ。
研いている最中に、こまめに砥石を濡らす
包丁を研いでいると砥石の表面が乾いてきます。
湿らす程度でも良いので、チョコチョコ水をかけて乾燥させないようにして下さい。その際は、少しの水を何度もがポイントです。
研ぎ汁は流さない
砥石の表面に、砥石が削られた黒い研ぎ汁が出てきます。気持ち悪いので流したい気持ちは分かりますが、水をかける時もなるべく流れないように残して下さい。
あのドロドロしたのが重要で、あの研ぎ汁で包丁を研いでいると言っても良いぐらい重要なんです。切れ味をよくする為に流さないで下さい。
砥石全体を使って研ぐ
チョコチョコ小さな範囲で包丁を研ぐ方がいると思いますが、砥石全体を使うように研いで下さい。
出来るものなら雑巾がけのように、一方方向に10mでも20mでも研げれば理想的です。ですが、前後に動かして研ぐので、なるべく大きなストロークで研いでね。
包丁を浮かす角度を保つ
これが一番重要で、これが一番難しい所だと思います。
下で角度やポイントを分かりやすく説明していますが、とにかく決めた角度は押しても引いても同じ角度にして下さい。この角度が一定の角度で定まらないと切れる包丁になりません。
もし、下の動画や解説文を見ても難しそうならオススメの用具があります。これがあれば誰が包丁を研いでも失敗する事は無いですね。
包丁を押す時も引く時も同じ力で
今回、この記事を作成するのにかなり調べました。
押すときに力を入れて包丁を研ぐと言う方は、料理人などの方が多いです。それに対し、包丁を販売している会社や制作会社、砥石の会社の情報を見ると、片方の時だけ力を多く入れると言う説明をしている所がありません。
包丁の研ぎ方は、用途によってやアレンジも多いです。
チャーハンを作らせたら、出来上がりは大きくは変わらないが作り方は人それぞれと同じ。ですが、包丁を販売している方達が『押すときに力を入れて』などのコメントは無く、押すも引くも同じ一定の力で研いでいるのが現状です。
包丁の刃先を抑える指は添えるだけ
ついつい抑えている指にも力が入りがちですが…。
刃先が砥石に当たるように上から添えるだけです。力を入れて押さえつけないようにして下さい。そして、砥石の上で何度も包丁を前後させても指を添えている所しか研げないので、研ぎたい箇所に必ず添えてくださいね。
では、片刃包丁と両刃包丁の動画と解説文をご覧ください。
解説文は、動画の内容と分かりづらい箇所などの補足なども書いたので、動画の後にでも読んでみてくださいね。
包丁の研ぎ方
片刃包丁の研ぎ方【砥石】
用意するもの
・砥石 ・砥石を水に浸ける容器 ・ふきん
ふきんは砥石から出る粉で汚れるので、捨てても大丈夫な物を用意しましょうね。
砥石の下準備
- 水の中に砥石を全て浸けます。
砥石から水泡が出なくなるまでで、10分~30分程度です。 - 砥石がズレないように、濡らして絞ったフキンを下に敷いて固定します。
砥石に沢山の水を吸収させる必要があります。包丁を研いだ時の熱を吸収し、包丁の滑りも良くしてくれるのでシッカリ水を吸収させて下さい。よく、砥石に少しだけの水を引っ掛けて研ぐ方がいますが、包丁を傷めてしまうので気を付けて下さいね。
砥石の中には浸けなくて良い物もあります。水に浸けて水泡が出るものは基本的に浸けて大丈夫です。
研ぎ方のポイントと指の位置
- 包丁を研ぐときには、刃を3分割して研ぎます。
先・中心・アゴと呼ばれるオシリです。 - 研ぐときの指の置き場所は、包丁を持っている手の親指をアゴと呼ばれるオシリに置きます。
そして研ぐときは、空いている手の人差し指・中指・薬指の3本で包丁のハラから刃先を添え、先を研ぐ時には先に添える。中心なら中心に。
料理人などのプロは一気に滑らすように全体を研いでいきますが、一般の方が行うのであれば3箇所に分けて研いだほうがキレイに研げますよ。
そして手を包丁に置く位置ですが、オシリに親指を乗せると安定して研げます。空いた手で包丁のハラから刃先を抑えるときは強く押さえ付けるのではなく、包丁が砥石に触れるように軽く添える程度で大丈夫です。
包丁の角度
- 上の画像5の赤い箇所を見て下さい。
出刃包丁や和包丁などの片刃は、包丁の表に「切り刃」と呼ばれる斜めに研がれた箇所があります。 - 切り刃を下にして砥石の上に乗せます。
上から刃先を押すと切り刃の角度で包丁が傾くので、その角度で研いでいきます。
この角度が非常に重要です。
両刃と違い片刃の場合は、切り刃の角度に合わせて研げば良いので簡単だと思います。無理に自分で角度をつけて研ぐことが無いように、この角度を保って研いでくださいね。
先・中心・アゴを各20ずつ研ぐ
- 包丁の刃を自分の方へ向ける。
- 刃先・中心・アゴと呼ばれる付け根の順番で、各20回ずつ研ぐ。
- 刃先を研ぐときだけは、同じ角度のままで包丁を持ち上げて研ぐ。
刃先に関しては、少し包丁を持ち上げないとキレイに研げません。角度があまり変わらないように包丁を少し持ち上げて研いで下さい。
各20回ずつ研ぐに関しては、動画の説明と違います。
「カエリを確認しながら場所を移す」と動画解説していますが、研ぎ慣れていない人だと『研ぎすぎの箇所』が出来てしまうので、3箇所に分けて同じ回数で研いだほうが確実です。
カエリの確認とカエリ取り
- 包丁のハラから刃先にむけて、刃先全体を撫でるように触る。
- カエリがあるのを確認する。
- カエリがない箇所があれば、研ぎ直し。
- 全ての刃先にカエリが出来たら、包丁を裏返して砥石に乗せ3回程度研いでカエリを取る。
カエリがある=研げている
削りカスで反り返った『カエリ』があるか確認して下さい。もし無い場所があれば、刃先・中心・アゴの順で最初から各20回ずつ研ぎ直して下さいね。
カエリが無い場所だけ研いでも良いのですが、他の研いだ箇所と刃の付き具合が変わってしまう可能性があるので、もう一度最初から研いで下さい。
全てにカエリが出来たら包丁を裏返して、包丁を砥石にベタ置きし角度をつけず2-3回優しく研いでカエリを落として下さい。取れれば完成です。
包丁の研ぎ方
両刃包丁の研ぎ方【砥石】
用意するもの
・砥石 ・砥石を水に浸ける容器 ・ふきん
動画では、霧吹きを用意すると説明がありますが要らないと思います。水道近くで包丁を研ぎながら砥石に水を少し掛ければOKです。
砥石の下準備
- 砥石を水に全て浸けます。
10分から30分で砥石から水泡のアブクが出なくなるまで。 - 砥石が動かないように、濡らして絞ったフキンなどを下に敷きます。
砥石はたくさんの水を吸収してくれます。その水が包丁と砥石の摩擦したときの熱を吸収し、包丁の滑りを良くしてくれるんですね。
少しの水を砥石にかける方がいますが、包丁の刃を傷めてしまうことになるのでシッカリ浸けて水を吸収させて下さい。砥石から空気が出てこなくなったらOKです。
砥石の中には浸けなくて良い物もあります。水に浸けて水泡が出るものは基本的に浸けて大丈夫です。
研ぎ方のポイントと指の位置
- 包丁を研ぐときには、刃を3分割して研ぎます。
先・中心・アゴと呼ばれるオシリです。 - 研ぐときの指の置き場所は、包丁を持っている手の親指をアゴと呼ばれるオシリに置きます。
そして研ぐときは、空いている手の人差し指・中指・薬指の3本で包丁のハラから刃先を添え、先を研ぐ時には先に添える。中心なら中心に。
研ぐときに、3つの箇所で分けたほうが研ぎやすいです。一度に研ぎたい気持ちは抑えて少しずつですね。
そして、包丁に手を置く位置ですが、オシリに親指を乗せると安定して研げます。空いた手で包丁のハラから刃先を抑えるときは強く押さえ付けるのではなく、包丁が砥石に触れるように軽く添える程度で大丈夫ですよ。
包丁の角度
- 砥石に包丁の刃を当て、包丁を少し浮かします。角度は15度。
- 15度は、10円玉などの小銭を2枚重ねて包丁を乗せた時に傾く角度です。
この角度が非常に重要です。
研ぐときに小銭を2枚用意し、砥石の端に置いておきましょう。研ぐ前に小銭の上に包丁を乗せ角度を覚えてから研ぎ、次のポイントを研ぐときにも角度を確認する。角度が15度を保てるように何度も確認しながら研いで下さいね。
その内、15度が分かるようになりますので。
刃の全体が15度で保たれないと切れ味がよい包丁になりませんので、最初は何度も角度を確認しながら行って下さいね。
先・中心・アゴを各20回ずつ研ぐ
- 包丁の刃を自分の方に向ける。
- 刃先・中心・アゴの順番で研いでいく。
- 各場所を20回や30回と同じ回数で研ぐ。
- 15度の角度を変えないように、押して引いての繰り返し。
刃先の先端の研ぎ方は、同じ角度で研いでも研げません。
15度の角度のまま包丁を少し上に持ち上げて、刃先が砥石に当たるようにして下さい。その時、刃先を抑える手は軽く添えないと、包丁がシナってしまうので注意して下さいね。
包丁の研ぎ方は、何回や何分などは包丁の状態によっても変わりますが、上の回数や下のカエリで判断すれば大丈夫ですよ。
包丁が研げているかの確認
- 包丁の刃先を全て、なでるように触って下さい。
- カエリと言う、刃返りがあるのを確認して下さい。
- カエリがない箇所があれば、全てカエリが出来るまでもう一度研いで下さい。
カエリが無い=研げていない
この確認も非常に重要です。刃先を触ったときに引っかかる感触がないと研げていません。シッカリと研げていれば必ず削られた刃先が反り返ってきますので。
もし無い場合は、無い箇所だけ研ぎ直しても良いのですが、研ぎ慣れていないのであれば一から全部の刃を研いだほうが確実ですね。
裏の刃を各20回ずつ研ぐ
- 包丁を裏返す。
- 刃先・刃の中心・アゴの順番で研いでいく。
- 各場所を20回や30回と同じ回数で研ぐ。
- 15度の角度を変えないように、押して引いての繰り返し。
先ほどのカエリが出来た側を砥石に当て、今までと同じように刃先・中心・アゴの順番で研いでいく。
今までと同じように、先端の刃先は角度を変えず包丁を少し上げて研ぐ。そして、15度の角度を変えないように確認しながら包丁を研いでいく。
動画では「アゴの箇所を研ぐときに90度の角度で…」との説明がありますが、研ぎづらいようなら良さそうですね。
カエリの確認とカエリ取り
- 包丁の刃先を全て、撫でるように触る。
- カエリがあるのを確認する。
- カエリが無い場所があれば、研ぎ直し。
- 全てにカエリが出来たら、砥石の角に刃先をつけて3回程度こすりつけて取る。
最後の砥石の角にこすりつけてですが、一般液な方法は下記の方法だと思います。
カエリが全ての刃に出来たら、今まで行ってきた刃の研ぎ方と同じことを繰り返していきます。その時はカエリを取る作業なので、研ぐ回数は20回などでは無く2-3回だけです。研ぐと言うイメージではなく、優しくカエリを落とす感じで。
ザラザラしているカエリが取れているか確認しながら、少ない回数でカエリを取りましょう。ザラつきが無くなったら終わりです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
女性でも初めての方でも、簡単に包丁を研ぐ事ができるようにご説明させて頂きました。
砥石で包丁を研ぐのは、包丁の角度を保てるかが非常に重要です。初心者の方は、ゆっくりで問題ないので何度も前後に削ってみて下さい。カエリを確認しながら『よしヨシ』とね。
その他、包丁の参考サイト
包丁が研ぎ終わったら、紙を切ってみよう。
ありがとう。aki