冬至に「ゆず湯」に入ったり「かぼちゃ」や「あずき」を食べる由来や意味を簡単にまとめました。
食べ物と深い意味があるからこそ、古くから今でも伝わり続ける風習です。
冬至に食べる定番の物からゆず湯の事まで、子供でも簡単に分かりやすくご紹介していますので参考にしてみて下さいね。
『冬至(とうじ)』って聞いたことありますよね。カレンダーにも書いてありますし、その時期にニュースでも取り上げられますし。
でも実際いつなのか、どういう日なのかって聞かれると「日が短い」とか「かぼちゃを食べる」と言うくらいで何となくなら知っていると言う事はないですか?
そこで『冬至』と『かぼちゃを食べる理由』について分かりやすくご紹介していきますね。
冬至とはを分かりやすく
地球は赤道で北半球と南半球に分かれますよね。そして私達の住む日本は北半球になります。地球儀を見ると分かりやすいですよ。
その北半球で太陽の位置が最も低くなり、太陽が沈むまでの時間が短い日が冬至なんです。
1年で1番日照時間が短い日、要は「昼が短くて夜が長い日」が冬至。
基本的に太陽は、真東から上り真西に沈みます。ですが冬至は日が昇るのも沈むのも南よりになるので、太陽の通り道も距離が短いんです。そのため昼が短くて夜が長くなるんですよ。
この北半球で『冬至』の時は反対の南半球では『夏至』になります。北と南で季節が逆になるんですね。
日本では大体12月22日頃に冬至になることが多く、この時にかぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりする習わしがあるんですよ。
冬至の由来と意味は
冬至にはどんな由来や意味があるのか見てみましょう。
日本の由来になる中国の冬至は
中国の冬至は二十四節気(にじゅうしせっき)の1つの節気になり、冬至は太陽の出ている時間が短く、翌日から日が伸びる事から「太陽の力が弱まり更にそこから太陽が生まれ変わる」 と言われています。
※二十四節気(にじゅうしせっき)とは、節分を基準に1年を24等分した季節の事。
そして、冬が終わり春がやって来ると言う意味を『一陽来復(いちょうらいふく)』と呼びますが、運気が上向きになるや、今までの悪かった気が良い方向に向くと言われ、縁起がイイ事と捉えられているんです。
そのため中国では新年の始まる日として、餃子を食べてお祝いをしたりご先祖様を祀ったりする大事な日なんですね。
日本では
日本で冬至は「死に近い日」を意味していて、その「厄を払う日」が冬至なんです。その厄除けとして「かぼちゃ」が食べられていたんですね。
そして中国と同じ様に『一陽来復』とも言い、縁起の良い日とも捉えられています。
昔は今のように1年中作物が採れた訳では無く、動物も冬ごもりをしてしまう為、この時代は冬を越すのがとても大変だったんです。
食料が少ない中でも厳しい冬を乗り越えられるかどうか…。
この冬を越せないと「死」が待っています。それを乗り越えるため夏に採れた「かぼちゃ」を保存しながら大事に大事に食べて冬を越していたんですね。無事に乗り越えられるように「厄を落とす日」という意味も込められている。何か泣けて来ますね…。
また中国の考え方と同じで、運気が下がってそこから運気が戻ってくる(冬から春がやって来る)と言う事から、無病息災を祈って厄祓いやお祝いもしていました。
そして古くからの言い伝えで「冬至に天気が良ければ翌年は豊作、雷がなれば雨が多い、雪が降れば豊作」と言われています。それだけ冬至は大事な日だという事が分かりますよね。
冬至に食べるかぼちゃの由来や理由
冬至に中国では「餃子」を食べますし、日本では「かぼちゃ」を食べると言う事が知られていますよね。
本来、かぼちゃは 夏が旬の野菜です。なのになぜ冬至に「かぼちゃ」を食べるのでしょう?
なぜ、かぼちゃを食べるの?
夏野菜のかぼちゃは保存が効く野菜なんです。上記でも書きましたが、昔は今のように食料は豊かでは無かったため、夏に採れたかぼちゃを保存しながら食べていたんですね。
そして、かぼちゃは採ってすぐ食べるより、少し寝かせた方が栄養分が更に増えるんです。そんなかぼちゃを食べると下記のような事に効くと言われています。
- 風邪予防
- 中風(ちゅうぶ)(脳卒中)予防
- 長生き・厄除け
- 運盛り
かぼちゃを食べる理由
- 身体が温まり免疫力も上がるので、冬を乗り越えられるようにする厄除けのため。
- 風邪の予防にも中風の予防にも良く、長生き出来るとされてきた為。
その習わしが今も残り「冬至にかぼちゃを食べれば風邪予防になる」と言われる由来ですね。
確かに「かぼちゃ」にはビタミンA(β-カロテン)・ビタミンC・ビタミンE・カルシウム・鉄分がバランス良く含まれていて、風邪予防・がん予防・冷え性・体力回復・動脈硬化・貧血・老化予防とたくさんの効果があります。
昔の人がそこまで詳しくは知らなかったでしょうけど(笑)でも先人の知恵は凄いですよね!
生きていくには必要不可欠で大事な「かぼちゃ」ということが分かりましたが、最後の「運盛り」とは何なのか見てみましょう。
運盛りとは
昔の冬至は、かぼちゃと共に「ん」の付く食べ物を縁起のいい食べ物としていました。それを『運盛り(うんもり)』と言うんですね。
実は「かぼちゃ」も漢字で書くと「南瓜」と書き「なんきん」とも呼びます。
そうです。「ん」が付く運盛りの一つなんです。
南瓜は陰(北)から陽(南)へ向かう事を意味していたり、夏(陽)の食べ物を冬(陰)に食べると陽の「気」を取り入れられるので、縁起が良い大事な野菜なんですね。
他にも運盛りで縁起がイイとされる物があります。
冬至の七種
運盛りの中でも『冬至の七種』(とうじのななくさ)と呼ばれるものがあるんですね。
- 南瓜=なんきん
- 蓮根=れんこん
- 人参=にんじん
- 銀杏=ぎんなん
- 金柑=きんかん
- 寒天=かんてん
- 饂飩=うんどん=うどん
この冬至の七種には「ん」が2個も付いていて、沢山の「運」が呼び込めると言われているんです。そう言われると冬至に食べたくなりますよね(笑)
その他、冬至にちなんだ食べ物
今も昔も縁起担ぎって色々あるんですよ。
「とうじ」にちなみ「と」や「とう」の付く食べ物も縁起が良いと言われています。これも運盛りと同じで「かぼちゃ」が「とうなす」と呼ばれていた事からとも言われています。
例えば
- とうふ
- とうがらし
- どじょう
などですね。どれも身体に良い食べ物ですし縁起担ぎにもなっています。丑の日に「う」の付くウナギなどを食べるのと同じですね(笑)
また、かぼちゃと同じくらい有名なのが
- 小豆(あずき)
- こんにゃく
この2つですね。それぞれの由来を見てみましょう。
小豆(あずき)
小豆(あずき)は、赤い色をしていますよね。この赤色が、厄除けや魔除けに効くとされ古くから食べられています。
元々は中国で、冬至に厄除けとして小豆粥を食べていたのが日本にも伝わり『冬至の朝、小豆粥を食べると身体が温まり、病気もなく健康に過ごせる』と言われ食べられていました。
地域によって食べ方は少しずつ変わってきましたが、その習わしが今も続いています。
小豆粥を食べる所もあれば、小豆とかぼちゃを煮た「いとこ煮」を食べる所も。
あまり聞き慣れない「いとこ煮」という名前は、かぼちゃと小豆を「追々」煮ることから「甥甥」となり「いとこ」になったそうです。語呂合わせですね(笑)
また「いとこ煮」に小豆を入れるのは、昔のかぼちゃは今より甘みが無かった為、かぼちゃを美味しく食べるために小豆を入れ甘みを出しているんだとか。
こんにゃく
こんにゃくは「砂おろし」と言われ、身体の中の悪いものを出す為に食べられていました。
胃の中を掃除してくれる「胃のほうき」や「腸の砂下ろし」とも言われ、冬至に食べることが広まります。
元々はお坊さんが精進料理として、悪い気を落としたり体の中の不要なものを落とすのに食べていましたが、徐々に庶民にも伝わり冬至に関わらず、節分や年末の大掃除にもこんにゃくが食べられるようになりました。
こんにゃくは食物繊維が豊富で整腸作用があります。砂下ろしでコンニャクを食べるのも理にかなっていますね。経験から知った昔の人は本当に凄いです(笑)
ゆず湯に入るのはなぜ?
冬至には「かぼちゃ」と「ゆず湯」が今でもある習わしですよね。
ではなぜ「ゆず湯」なのか見てみましょう。
- 語呂合わせ
- 風邪予防
- 禊(みそぎ)として
このような事が言われていますね。
語呂合わせ
冬至の日にゆず湯に入り出したのは、江戸時代に銭湯が出来てからになります。当時、銭湯の客寄せのために銭湯にゆずを入れたのが始まりです。
- 「冬至」=「湯治」
- 「ゆず」=「融通がきく」
※湯治(とうじ)とは、温泉に入って病気を治したり身体を休めると言った、いわゆる「治療」のために入る事。
「ゆず湯に入り身体が健康になれば融通がきく」と言い、語呂合わせから始まったと言われています。昔の人は語呂合わせが好きだったんですね(笑)
湯治は鎌倉時代からありましたが、その時代は武家のお金持ちしか入れなかったのが、江戸時代になって庶民にも広まり入るようになったんです。
そこから現在は湯治が目的では無くなりましたが、冬至には家庭でもお風呂にゆずを入れ、ゆず湯に入る習わしが続いているんですね。
風邪予防
ゆず湯に入ると身体が温まり代謝も良くなるので風邪予防に良いとされています。
ゆずには、クエン酸・ビタミンA・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンPなど豊富に含まれています。あまり知られていませんが、ゆずは実よりも皮の方が栄養素が多いんですよ。
ですので、ゆずを皮ごとお風呂に入れると成分が溶けだして、風邪予防・美肌効果・血行促進・冷え性の予防と改善、そして香りでリラックス効果が得られるんですね。湯治でゆずが使われるのも納得です。
禊として
冬至に「運」を呼びこむため、身を清めて邪気を払う目的でゆず湯に入っていたんです。
ゆずは香りが強いので邪気が起こらないと捉えられていました。こどもの日の「しょうぶ湯」の厄除けと同じですね。
うるう年との関係
冬至は年によって日にちが違いますよね。それは「うるう年」と大きな関係があるため。
現在世界共通で使われている暦(こよみ)が「太陽暦」(グレゴリオ暦とも言う)です。
太陽暦というのは「地球が太陽を1周する時間を1年」として定められた暦の事を言います。
1年は365日と言われますが実際は「365日5時間49分」とジャストでは無いんですね。このズレを調整するのが「うるう年」で約4年に1回2月に1日増やしているんです。
そのため、冬至も日にちが年によってズレて来ます。
そして夏季オリンピックと同じ年にうるう年があると思われがちですが、ちょっと違うんですね。キッチリ4年毎にうるう年が来るとは限らないですから。
いつうるう年になるのか計算式があるんですが…。うるう年の計算はややこしくなるのでココでは割愛させて頂きますね(笑)
まとめ
簡単にまとめると
- 冬至は1年で最も日照時間が短い日
- 太陽が蘇り復活を祝う日
- 冬至は運気が上昇する縁起のいい日
- 病気にならないために「かぼちゃ」を食べる
- 運を呼びこむ前に身を清めるためにゆず湯に入る
先人の方たちの知恵は凄いですね。かぼちゃの栄養の高さやゆずの効能などを知恵として知っていたんですから。
やはり昔から良いとされている事は意味のある事なんです。こういった日本文化の習わしも長く受け継いで行きたいですね。
その他、参考サイト
ありがとう。aya