月見イベントや日向の十五夜祭りはもちろん、全国の歴史ある伝統的な祭り~歴史の浅いイベントまでご紹介します。
有名な祭りから、あまり知られていない祭りを、いつごろの開催かまでまとめてみました。
どんな祭りなのかを確認してから、遊びに行ってみてはいかが?
十五夜って、特別な祭りやイベントがあるってご存じですか?
全国にはまだまだ知られていない、十五夜にまつわるお祭りがあると思います。そこで、情報があるイベントに限りますが、いろいろ調べてみたので参考にしてみてくださいね。
また、十五夜祭りと言う事で十五夜に開催される所が多いので、十五夜の日にちはいつなのかも確認してみてください。十五夜早見表
東北地方
まずは東北地方から。東北は地域密着型のお祭りはあると思いますが、十五夜・お月見に関して情報のある、お祭りは下記になります。
猿賀神社 十五夜大祭
青森県平川市にある「猿賀神社(さるがじんじゃ)」で行われる最大のお祭り。
五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願い、県無形民俗文化財の「津軽神楽(つがるかぐら)」や躍動感あふれる圧巻の「熊獅子と鹿獅子の舞」を奉納します。
待つ宵・十五夜・十六夜(旧暦8月14~16日)までの3日間行われ、それぞれにイベントが組まれていますが、初日の宵宮祭での津軽神楽や獅子舞が見どころ。津軽神楽が気になる方はこちらで。津軽神楽
猿賀神社は807年に坂上田村麻呂が建てた歴史ある神社で、桜と鏡ヶ池いちめんに咲く蓮の花でも有名な所です。蓮の花は、7月下旬~8月上旬までが見どころなので、十五夜祭の前にも行ってみたいですね。
青森といえば「ねぶた祭り」が有名ですが、秋に行われる十五夜祭も最大の祭典ですので、十五夜祭にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
詳しくはこちら。弘前観光コンベンション協会
南湖公園 翠楽苑 十五夜月見会
福島県白河市にある「南湖公園(なんここうえん)」内にある「翠楽苑(すいらくえん)」という庭園で、9月下旬頃に3日間行われます。
こちらは歌のライブとお月見の融合で、ライブを聴きながらお月見をするイベント。
こちらはライブということで、チケット代が掛かってしまいますが…。でも、翠楽園の池には灯籠が置かれ、幻想的な雰囲気の中でのライブ&お月見もその時しか味わえないので良いですね。
また、「松楽亭」限定の生菓子&抹茶がいただけますよ。
詳しくはこちら。白河市物産観光協会
関東地方
関東では、十五夜祭りというよりも月見がメインのイベントが多いですね。地域によってもイベント内容が違いますが、大人向けか子供向けかで内容も変わっています。
水戸萩まつり・月見の会
茨城県水戸市にある「偕楽園(かいらくえん)」で9月の約1ヶ月ほど長期で行われます。萩まつりは期間中に中秋の名月があり、萩まつりの中で月見の会も出来ます。
水戸の偕楽園といえば、梅が有名ですが宮城野萩を中心に白萩・山萩・丸葉萩なども出来た当時から植えられていて、梅と同じくらい見応えあり。
萩も秋の七草のひとつですので、ライトアップされた萩と中秋の名月の風情あふれるイベント。その他、鈴虫の放虫やお茶会・謡と仕舞の会や俳句大会・ダンスなど盛りだくさんの内容です。
詳しくはこちら。水戸環境協会
月見の会 那珂市
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茨城県那珂市にある「一の関ため池親水公園」内にある古民家「曲がり屋」で中秋の名月の頃、1日のみ行われます。こちらは、曲がり屋のステージで歌や琴が披露されたり、灯籠のライトアップなどのイベントがあり。
この会場となる一の関ため池親水公園は、冬になると白鳥がやってくる池で有名な公園です。
詳しくはこちら。那珂市観光協会
こちらの動画は、以前行われたイメージ映像になります。行かれる前にご覧になってみてください。
月見の会 笠間市
茨城県笠間市にある「笠間つつじ公園」にて開催されます。2010年から始まったばかりですが、なるべく「電気」を使わずキャンドルやかがり火、そして月明かりで行うというイベントです。
稲荷獅子(いなりしし)や雅楽(がらく)など伝統的な催しや、地元の食材を使った手作り食など、歌あり演奏あり食ありというイベント。まだまだ歴史は浅いですが、つつじとキャンドルと中秋の名月で幻想的なひと時をいかがですか。
こちらは以前の月見の会で行われた「笠間稲荷ばやし」の様子です。ちょっと真っ暗ですが…。躍動感は伝わるのではないかと。
月見の会 向島百花園
東京都墨田区にある「向島百花園(むこうじまひゃっかえん)」にて中秋の名月をはさんだ3日間の開催。こちらの園自体に入場料(一般150円)が掛かりますが、萩のトンネルや琴の演奏・お茶会やお供え式などのイベントがあり十分楽しめます。
日が落ちると行灯やぼんぼりが灯り、月を眺めながら歩く夜の庭園もまた昼間とは違って幻想的ですよ。
この向島百花園は水戸の偕楽園と同じように、梅と萩で有名な花園。また、都内にいながら野鳥や昆虫も多く見られるのでお子様連れも楽しめますね。
こちらが有名な「萩のトンネル」。およそ30mに渡っての萩鑑賞を体感してみてください。
詳しくはこちら。東京都庁
お月見のつどい 小金井市
東京都武蔵野市にある「都立小金井公園」内の「江戸東京たてもの園前広場」にて、旧暦8月十五夜のころに2日間開催されます。こちらのお月見のつどいは、他のところとは違い子どもが楽しめるイベントになっています。
催し物も、熱気球・プラネタリウム・演劇・木工教室・望遠鏡で月の観察・ミニコンサートや演奏とすごく充実。まだまだ細かな催し物はありますが、これほどあると大人も子供も十分楽しめること間違いないですね。
また、この公園はとても広くバーベキュー・サイクリング・テニス・野球など出来、ドックランもあるので家族みんなで楽しめる公園なので1日遊べますよ。
詳しくはこちら。小金井市環境協会
中部地方
中部地方は、有名かつ伝統的な十五夜祭りが多い地域です。地域をあげて大々的な催し物が多いのが特徴。
和納 十五夜祭り
新潟県西蒲区の和納地内と八幡神社境内にて、8月上旬に2日間開催されます。こちらの十五夜まつりは、神幸祭(しんこうさい)に少年たちによる「棒使い」や、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願い「草花火」「仕掛花火」が打ち上げられます。地元の花火師に代々伝わる伝統行事とともに、十五夜祭りのクライマックスに。
※神幸祭(しんこうさい)・・・神様が宿っている神体を、お神輿(みこし)に移して街を回ること。
※草花火(くさはなび)・・・手に竹筒をもつ花火のこと。
※棒使い(ぼうつかい)・・・もともとは、自分の身を守るために使っていた武術が変化して、神様への奉納へと伝わり今も続く。
この他、伝統的な舞や太鼓・おみこし・歌のステージ・打ち上げ花火などのイベントもあり。
こちらの動画が、草花火をしている様子です。これは本当に慣れている花火師にしか出来ない伝統芸ですね。あなたは危ないので真似しないように!!
堀之内 十五夜祭り
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新潟県魚沼市堀之内にある「八幡宮」境内にて、作物の実りに感謝し旧暦8月15日に3日間行われます。堀之内十五夜祭りの歴史は古く、元は同じ時期に八幡宮の秋祭りがあり中秋の名月と重なることから、一緒になり元禄4年から300年以上続く伝統的な祭り。
こちらの見どころは、屋台囃子・激しい揉みのみこし・花火・みこし流しなど。ここのみこしは八幡宮のおひざ元から出るみこし以外は、樽神輿(たるみこし)というのも特徴のひとつ。そして最終日には、みこしごと魚野川(うおのがわ)の上流に入っていき、下流まで約400m進みます。これを神輿流しと言います。
もちろん、川に入っても足の届くところでは激しい揉みは続き、足の届かないところでは川の流れのまま流され、下流の陸に上がっていくという体を張った祭り。
詳しくはコチラ。魚沼市
こちらが揉みの激しい樽神輿(たるみこし)の様子です。大人の神輿はもちろんですが、子供みこしも結構激しいのでビックリしますよ。
与板 十五夜祭り
新潟県長岡市の与板市街地~都野神社(つのじんじゃ)で9月の十五夜の時期に3日間行われます。与板十五夜まつりの歴史は古く、江戸時代中頃から約250年ほど続く伝統行事。元は、都野神社の秋季大祭として「十五夜祭」をしていたのが、与板地区の合併に伴い与板地区全体のお祭りとして「十五夜まつり」となっています。
こちらの見どころは、上町・中町・南新町からなる3台の屋台の登り屋台。ちょうちんを持った子どもや若者たちが屋台に乗り込み、引き手が綱で屋台を引き街の中を周り最後に神社前の屋台坂を、暴れながら登っていくというのが登り屋台。
そして、この屋台の引き手に背負われた子供は「丈夫に育つ」と言われています。
詳しくはこちら。長岡市
こちらが登り屋台の様子です。屋台に乗っている若者も勇ましいですが、やはり引き手の方がはるかに大変そうですね。
諏訪大社 十五夜祭
長野県の諏訪大社上社本宮にて9月15日に行われる「相撲踊り」や「相撲甚句(すもうじんく)」を奉納する行事。江戸時代に若者たちが大社の土俵ですもうを取っていた事から始まります。相撲の奉納というのも珍しいですが、諏訪大社では古くから神事には相撲を奉納していたんですね。実際の映像はこちら。十五夜祭相撲踊り奉納
※相撲甚句(すもうじんく)・・・5~7人の力士が土俵に上がりひとりずつ五七調で独唱し、歌っていない他の力士は合いの手を入れるというはやし歌。
諏訪大社といえば、寅と申の年に(7年に1度)行われる「御柱祭(おんばしらさい)」が歴史も古く有名ですが、十五夜祭も平成20年に「無形民族文化財」に指定されている、由緒正しき伝統行事になっています。
また、この十五夜祭は、奉納相撲とは別に子供たちから大人までの相撲大会もあります。
詳しくはこちら。諏訪市
九州・沖縄地方
九州・沖縄地方も、古くから伝わる伝統的な十五夜祭が多く見られます。代々伝わる習わしを、若い人へ伝承していくのも良いものですよ。
日向 十五夜祭り
宮崎県日向市(ひゅうがし)の中心市街地と日向市駅前交流広場で、五穀豊穣と収穫の感謝の祈りを込めた「十五夜祭り」と、冨高八幡宮の例大祭としての「十五夜祭」が一緒になった祭り。この祭りは、宮崎県の三大祭のひとつであり、県内外から多くの見物客が訪れる。そして盛大に行われる日向市あげての舞踊隊の練り歩きは、市内の冨高八幡宮の祭礼がルーツとなり、中秋の名月の頃2日間に渡って行われます。
その他、見立て細工や花屋台が奉納され、みこし巡業や十五夜音頭のパレード・日向十五夜太鼓・ステージイベントなどあり多数の催し物があり。最近だと、20年ぶりに花屋台に「ねぷた」が披露されたようですね。
詳しくはこちら。日向市
こちらは、ちょっと画像が悪いですがステージイベントの太鼓演技。画像で見るより、実際に生で観るほうが迫力は違うと思いますよ。
十五夜ソラヨイ
鹿児島県の南九州地方で旧暦8月15日に、数え年で7歳~14歳の子供が中心で行われる十五夜の行事。
ソラヨイとは、神様が「それは良い」と大地を踏み大地の精霊たちを呼び起こし、月と大地に感謝し豊作を祝うための行事のこと。この十五夜ソラヨイは、子供たちがふんどし姿にワラで作った帽子や腰ミノをつけ、中央のワラで出来た山笠のまわりを「ソーラヨイ、ソーラヨイ」と歌い、相撲のしこふみの様に踊りながら大地の神様と交信するというもの。
これが相撲の起源とも言われます。
子供たちが懸命に踊っている姿は、勇ましくも可愛くもありますよ。
また、集落によって多少飾りが変わったり、綱引きや相撲をとったり年令によって階級があり飾りが違ったりします。実際のソラヨイの様子はこちらで。知覧町ソラヨイ
詳しくはこちら。南九州市
浦添市勢理客 十五夜祭
沖縄県浦添市(うらそえし)の勢理客(じっちゃく)・内間・仲西の3つの地区で、旧暦8月15日に五穀豊穣と無病息災を祈って獅子舞が行われる祭り。中でも勢理客の獅子舞は、400年の歴史があり、国選択無形民俗文化財に指定されているほど有名。舞の数も勢理客は13種あり、内間・仲西が9種と数多くあります。
その他、子供たちによる獅子舞「シーシーカンカン」や、民謡・琉舞(りゅうぶ)地域によっては棒踊り・綱引きなども催されます。
伝統的な獅子舞も迫力があって本当に生きているみたいな動きですが、子供たちが演じる獅子舞も愛嬌があって可愛いですよ。子供の獅子舞
詳しくはこちら。浦添ナビ
こちらが勢理客の獅子舞です。昔ながらの型を継承している舞。獅子の中で踊る人はかなりの体力が必要で、ひと舞台でグッタリするほどだそう。
首里末吉町 十五夜祭り
沖縄県那覇市の首里末吉町にて、旧暦8月15日に五穀豊穣と町の繁栄を願い、邪気を祓う獅子舞が奉納されるという祭り。この獅子舞は、沖縄県民族無形文化財に指定されているほど歴史が古く約250年伝承されています。
また、末吉町の獅子は「神獅子」と呼ばれ、ご神体として地元の方に崇められ公民館に祀られていて、旧暦8月15日の奉納の舞と町内を練り歩く時しか使われず、町内から出ることはありません。町外での演舞はすべて違う獅子を使うという、この徹底ぶりからも地元民の信仰の深さを感じますね。
その他、琉球舞踊やエイサー・民謡や旗頭などの地域のみんなが楽しめるイベントが沢山あり。
イベントの中の「旗頭(はたがしら)」も伝統のひとつで、約50kgの竹ざおを腰に巻いたさらしの太鼓に載せ、旗上部の飾りである燈籠(とうろう)や熨斗(燈籠の下の飾り)や吹き流しなどを、上下に旗を舞わせキレイに魅せると言うもの。旗頭
詳しくはこちら。那覇市観光協会
こちらが末吉町の十五夜祭りのダイジェスト画像です。いろいろなイベントも有り、熱気が伝わってくると思いますよ。
小浜島 十五夜よろせー祭
沖縄県八重山列島にある小浜島で、旧暦8月十五夜に行われる祭り。小浜島の集落を南北2つに分け、五穀豊穣・無病息災・子孫繁栄を祈り大綱引きとのど自慢大会を行います。
この綱引きで使うワラは、綱引き用のために米から育て大綱を作るほど、大きな行事のひとつ。この大綱を2本作り、本番には2本をドッキングさせ綱引きがスタートします。これだけの大綱を作るのも、そうとうな時間を掛けているのか分かる映像があるので御覧ください。小浜島よろせー
よろせー祭りの「よろせー」とは、島の方言で綱引きのことを「ヨーラセー」や「ヨーロセー」と呼ぶことから付けられた名前。
綱引きはどちらかが2勝するまでやり、終わった後はみんなでのど自慢大会へ。
詳しくはこちら。八重山新聞社
こちらが綱引きの様子です。島の子供からお年寄りまでみんなで綱引きをする姿に、何だかほのぼのしますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。全国にはいろいろな形で十五夜祭が行われています。
伝統的な大きなイベントだったり、地元の方だけの小さなイベントだったり。まだまだ歴史の浅いものもありますが、地域をあげて地域発展のために、街を盛り上げていこうとしている姿は、全国どこでも同じなんだと改めて感じました。
歴史のある祭りは更に後世へ伝承していって欲しいと思いますし、これから歴史を刻んでいくイベントも長く後世へ続くことを願っています。
実際に私は知らない十五夜祭ばかりでしたが、いろいろと足を運んでみたくなりました。あなたもぜひ、気になるお祭りがあったら足を運んでみてください。
その他、参考サイト
秋にすること秋にしたいこと100選|食べる・遊ぶ・楽しいことありがとう。aya